研修志望動機・学修内容・成果/感想・今後の取組み・これからの希望者へのアドバイスなど
▪学修内容:医学生への漢方講義、外来陪席、煎じ実習、症例検討、病棟回診・カンファレンス
▪成果/感想:富山大学では、「卒業する医学生全員が漢方医学的な診断を行えるようになること」を目標とした実践的な指導が行われていました。医学生には、舌診・脈診・腹診を繰り返し行わせることで、短期間でも漢方の診察に慣れるように指導されていました。また、数日後には、漢方医学的な所見も比較的正確に取れるようになっていたと思います。漢方の講義や症例検討では、医学生に陰陽・虚実・気血水といった概念を考えさせながら診断に導く構成となっており、一方的な講義ではなかったため、理解がより深まると感じました。さらに、指導の随所で医学生に対して不明点の確認を行いながら研修が進められており、その場で疑問を解消できる点も、漢方を効率的に学ぶうえで非常に有効であると感じました。医学生の段階で、漢方医学的な思考や診察方法、所見の取り方を学ぶ機会があることは、将来、医師として西洋医学と東洋医学の両方を柔軟に取り入れた診療を行う上で非常に重要であると考えています。漢方実習の期間は、患者さんにとってより良い治療を提供できる医師になるための、貴重な土台となると感じました。
▪今後の取組み:医学生に繰り返し漢方医学的診察を実践させる指導方法や、双方向的に進められる講義の進行、さらに実習中に理解度を細かく確認するための工夫は、漢方医学センターにおいても取り入れやすく、今後の教育において非常に有用であると感じました。
▪これからの希望者へのアドバイス:富山大学和漢診療科には、多くの漢方専門医の先生方が在籍しており、それぞれの先生が情熱と愛情を持って教育と診療に取り組んでいらっしゃいます。そのような現場に身を置き、実際の指導や診療の様子を共有させていただくことは、自分自身の成長につながると感じております。